地域の歴史、文化、産業等をテーマに斬新な切り口でご紹介する情報誌「マイウェイ」。
季刊誌として年4回発行しています。
小粒ながら写真を多く用い、魅力あふれた地域情報や文化情報として
幅広い年齢層の方々からご愛読をいただいています。
ご希望の方に過去の「マイウェイ」を差し上げています。
在庫切れの号もございますので、詳しくは、はまぎん産業文化振興財団事務局045-225-2171(平日9:00~17:00)へお問い合わせ下さい。
「おくにことば(御国言葉)」とは、国言葉を丁寧にいう語で、「その地方だけで使われることば。方言。くになまり。」(広辞苑第六版、岩波書店)と説明されています。
しかし、日常生活を振り返ってみますと、テレビやラジオに席巻されて、その土地固有の「お国ことば」が使われる機会、耳にする機会が次第に少なくなっていることが痛感されます。また、それだからこそ生まれ育った土地の「ことば」を耳にする時、思わず故郷の海や山の景色が思い起こされ、郷愁に誘われてしまうのではないでしょうか。石川啄木が「故郷の なまりなつかし停車場の 人ごみの中にそを聴きにゆく」と歌ったように、故郷のことばには、人の心を動かす強い力、瞬時にして互いの心を通わせる磁力のようなものがあるようです。
そこで、今回の「マイウェイ」では、元神奈川県方言調査員の伊川公司様に監修をお願いし、県内の「お国ことば」にスポットをあててみました。神奈川の人々の暮らしとともに伝えられてきた「ことばの文化」を、今一度思い返していただき、大切に保存し、後世にも受け継がれて行くきっかけにしていただければ幸いです。
年間約2,000万人が訪れる横浜中華街。500メートル四方の地域には、200を超える中華料理店を始めとして、雑貨店、土産物店等と含め、ゆうに600を超える店舗が軒を並べています。初めてこの地を訪れる誰もが、異国情緒あふれたそのスケールの大きさと賑わいに感嘆の声をあげるのではないでしょうか。
今回は、横浜開港150周年に因み、日本の文明開化に貢献し、横浜の歴史を築き、支え続けてきた横浜中華街の歴史と文化、そのエキゾチックな魅力の一端をご紹介いたします。
その歩みは横浜開港とともに始まり、今日の隆盛を迎えるまでには関東大震災や先の戦争による街の破壊、人々の離散など幾多の試練の歴史がありました。 小誌を通して、横浜を代表する人気スポットの散策にお楽しみいただければ幸いです。
里山というと、老若男女を問わず、1988年に公開された『となりのトトロ』の情景を思い描く方も多いのではないでしょうか。高度経済成長の代償として失われてしまった人間と自然との共生の故郷ともいえる里山を想像力豊かに描いており、日本の誰もが心の故郷として抱いている郷愁をおのずと呼び起こしてくれるからでしょう。
このトトロのモデルとなった舞台は埼玉県の狭山丘陵にありますが、ここ神奈川県内にも市街地から少し離れた場所にトトロの森の精霊が支配するような里山が多く散在しています。神奈川県が調査した「里山づくり構想 県内の里山」(平成14年度)によれば、農地と山林、集落が一体となった里山地域として134ヶ所が抽出されています。その懐かしい自然と景観を保護する活動も、年々盛んになっています。
そこで、今回は神奈川において里山保全を実践している「NPO法人よこはま里山研究所NORA」にご監修いただき、県内数ヶ所の里山を取材し、里山散策の楽しみや里山の活性化に取り組む市民グループの活動状況などを紹介いたしました。日常の雑踏から少しばかり身を離して、これらの里山の中を散策してみるのも良いのではないでしょうか。
昨年12月に、京浜臨海部の産業遺産をご紹介する「かながわ産業遺産物語-京浜臨海部編」を発行いたしましたが、多数の新聞にも取り上げられ、多くの方々から入手要望をお寄せいただくなど好評を博することができました。今回はその続編として、間もなく横浜開港150周年を迎える横浜と、今年が市制100 年に当たる横須賀の産業遺産をご紹介する「横浜・横須賀編」を刊行いたしました。
日本の近代工業発展の礎を担った横浜・横須賀には、多くの産業遺産や歴史的遺産が数多く残されています。その中から今回は「絹と軍艦」をテーマに生糸貿易、埠頭、製鉄所など「港」にまつわる産業遺産を中心に取り上げました。ご紹介した産業遺産は、歴史の貴重な生き証人と言えます。その一つ一つに、先達の偉大な功績や歴史の重みを実感するとともに、守り続けていくことの大切さを改めて認識いたしました。
昨今では、産業遺産を有効利用した活動が盛んになってきており、産業遺産を広く私たちの暮らしに関わる貴重な文化資産として後世に受け継いでいくことは、私たちに課せられた務めでもあります。